今回は書評です。
書評していく本は、「完全自殺マニュアル」という本です。
僕自身として自死願望は薄れたと感じていますが、でも今も死んでしまいたいと思うことも度々ある。
ストレスの差・ストレスの種類・絶望の差...
人生は少しずつ前向きに進んでいると分かりつつもふとした時に死にたくなる。
さらに人生に対して求める感情...目の前にある高い壁...人と比較しないでおこうと思っても比較してしまう心...年齢的な何かからの焦り...漠然とした不安感...
常に人は多かれ少なかれ何かを抱え、いっそ死んでしまいたいという感情をどこかで抱えているものだと私は勝手に思っている。
むしろ、死にたい...という感情は至極健全なものだとも思う。
自殺などの話題に触れるのは日常では忌避されるような題材だけど、僕は自殺について
身近であるべきだと考える。
勿論、自殺は社会が悪い!などや人々の理解がない!などの周囲のせいにする気は毛頭ございません。
僕自身明確な答えはありません。
ただ、自殺と言う忌避されるような題材に日頃から少しでも身近になればなと...少しそう思います。
鶴見済(つるみわたる)さんという人物
完全自殺マニュアルの内容に入っていく前に、こちらの筆者である、鶴見済さんについて少し触れておこうと思う。
現在56歳。東京大学を卒業しており、29歳からフリーライターと活動している人物である。
ちなみに、この29歳の時に「完全自殺マニュアル」を出版している。
20年以上経っても読み継がれている書ということですね。
鶴見さんは、人生やこの世においての「生きづらさ」やある種の「前向きな諦め」が一貫して考えの根底にあって、そえについて書かれた本がとても多いです。
完全自殺マニュアルを出版したその後も様々な本を出版していて、最近では「0円で生きる」という本も出版されています。
僕も興味が湧いたので買おうと思っています。
数多くの自殺の種類を紹介している書
完全自殺マニュアルはシンプルに言うと、自殺方法の羅列です。
本の内容を書きますが、自殺の方法として挙げられているのが、
・首吊り
・飛び降り
・(電車などに)飛び込み
・薬物自殺
・ガス中毒
・感電
・手首、動脈切り
・入水
・焼身
・凍死
・その他の方法・・・
11種類ほどの自殺方法が書かれ、それぞれの自殺方法の歴史などの豆知識など的な情報や、その方法を実践するにあたっての注意点なども書かれています。
過去にその方法を実践してみた人の体験談や、数多くの情報・データを元にそれぞれの自殺法の良し悪しや特徴などが細かく書かれているので興味深い内容になっていると思います。
そのほかにも、自殺法それぞれに
・苦痛度
・手間
・見苦しさ
・迷惑
・インパクト
・致死度
の6つの項目に分けられどの自殺法がおすすめか、特徴などシンプルにまとめられている書です。
自殺のデータや国ごとの自殺の種類など興味深い内容が多いです。
おすすめの自殺とその理由について分かりやすく解説されている
先ほど自殺方法について羅列していきましたが、この本のおすすめの自殺法について2つネタバレ的に書いていきます。
筆者の鶴見さんは、自殺するなら飛び降りか首吊りの2択がベストだよ。と言っています。
という理由ですが
・シンプルに自殺成功率が高い。
・死ぬまでの時間が短い
2つとも苦痛がほぼないどころか、むしろどちらも気持ち良いという説もかなり有力みたいです。
などを挙げています。
さらに踏み込むと、ベストな選択は首吊りであると・・・
飛び降りは死ねる確率は高いですが、死体が惨たらしいみたいです。
自殺の失敗が殆どない、苦痛がほぼない、出来るだけ綺麗な形で、尚且つ周りに出来る限り迷惑をかけないという点から一番首吊りが推奨される理由です。
電車などへの飛び込みは、苦痛はないみたいですし、手軽さではかなりおすすめ出来る自殺法です。
ですが人身事故などを発生させてしまうと、周りの人たちにも迷惑がかかるのは勿論、遺族たちにも多大な賠償金などが科せられるので総合的に判断すると絶対しない方が良い自殺方法ということになります。
それ以外の方法は、苦痛度があまりに高かったり、致死率が不安定で死ぬことが出来るのは不確実な方法も多いです。
ですので、推奨する自殺法は主に2つ首吊りか飛び降りです。
ですが、この2つを比較しても首吊りが圧倒的に確実で迷惑も掛からず苦痛もほぼないみたいです。
自殺するなら圧倒的に首吊りが良いみたいですね。
むしろ、どこ情報か分かりませんが、首吊りは気持ち良いらしいのです。
でもわたくしは死にたい願望は普段から持ち合わせていますが、やっぱり怖いです。
自殺スポットなども紹介している
自殺法だけでなく、自殺スポットといわれる自殺の名所という場所も紹介されています。
どことは言わないですし、実際に読んでみたら分かるのですが、場所が分かれば少し怖い感じもします。
実際にあなたの身近にもそういった場所はあるかもしれません。
実際に、私の住んでいるところからも結構近い場所もあり、怖いと思いました。
自殺する手順・自殺の失敗率を極限まで低くするマニュアル的なことまで書いてくれていたら...
多くの自殺の種類、そして、なぜその自殺をおすすめしているかの根拠。
これほどまで自殺について奥深くまで突っ込んだ本は完全自殺マニュアルくらいでしょう。
ですが、僕自身もう少し突っ込んで欲しかった...
ここまで自殺について深堀してくれた書籍はないので、それだけでも感謝なのですが、マニュアルというタイトルから自殺のマニュアルを事細かく書かれていると勝手に思っていた節がありました。
例えば、首吊りを例に出すと、
ロープの長さ・ロープの括り方・ロープを吊るすおすすめの場所・椅子の高さは?・首にかけるロープの角度は?用意する道具は?・・・
まぁ、こういうつべこべ説明しろ!と駄々をこねて居る私のような読者はまだまだ自殺するに至る勇気を持ち合わせてはいないと思うんだけど・・・
でも、出来るだけ自殺の手間や失敗する恐怖から逃れたいと思うのは誰しも思うことであり、マニュアル通りに実行すれば高確率で死ねますよ!
というマニュアル的なものもあれば最高でしたね。
まとめ
普段から自殺願望は一定の感情で持ち合わせているので、あったら便利かなと思い、「完全自殺マニュアル」を購入しました。
死にたい感情を後押ししてくれるような書なのかなという淡い期待も。
今回はその感想と言うか、まぁ感想です。書評と題してますけど。
購入してみて思ったのは、確実に自殺の方法などの知識は確実に付きます。
おすすめの自殺や、なぜおすすめなのかまで詳しく知れます。非推奨な自殺法や後遺症の危険性なども知れます。
特に首吊りや飛び降りは苦痛はないみたいで、むしろ気持ち良いみたいです。
でもわたしはそれを知ってもやはり死ねませんでした。理由は正確には分かりません。
生存欲求の本能からかやはり恐怖が先行します。
どこかでこの世界に淡い期待を持っているからかもしれません。
言語化しにくい何かがあります。
言いたいのは、この本を購入したからと言って死ねるとは限りません。
むしろ、本当に死ぬほど辛く感情も狂っている人はこういう本を読まずとも行動に移せている可能性が非常に高いです。
ただ、不思議な安心感は少し手に入れられます。
知識を得るだけでも、不思議と不安感などは少し排除出来ると思うからです。
この筆者も最後のあとがきに書いてますが、
「生きたけりゃ生きればいいし、死にたければ死ねばいい。生きるなんてその程度のものだ。生きるなんてどうせくだらない。」
ということも書かれています。
適当に生きて、死にたくなったら適当に死ぬ。
皮肉ですが、自殺を考えることによって、もう一度適当に人生を歩んでみようかと思うきっかけになるのではないかと思うのです。
実際、私は死ねなかったですが、この書に巡り合えて良かったです。
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