こんにちは。きつねこです。
最近、U-NEXT という動画配信サービスで「パラサイト~半地下の家族~」という映画を見たので感想を書いていきたいと思います。
まぁ、ベタ過ぎる映画ですし、見た人も多いのかもしれないので、映画選択のセンスは私にはないのかもしれません・・・
ですが、第72回カンヌ国際映画祭でパルムドール賞という最高賞を受けたというわけで、これは見ておかないと損だなという切迫感から視聴という流れであります。
まぁ、下手な映画レビューですので軽い感じで読んでもらえれば良いですよ~。
あらすじ
地上から少し階段を下った場所。窓からは地上が見えるほどの地下である故に半地下と推測できる。そこに住む4人組の家族。
4人とも正社員ではなく、ピザ屋の箱折りのバイトで生活を凌いでいる。
しかし、あるきっかけからとある会社の息子の家庭教師のバイトのチャンスを得、そこから4人の家族が富裕層の家族に上手く寄生していく物語である。
貧困層の家族が富裕層の家庭に寄生していく過程で物語が動いていきます。
序盤は笑える。非常にコミカルな映画
この映画が非常に評価されているの要因の一つとして、物語の様々なジャンルが入り混じりつつ、尚且つそれぞれが邪魔をしていないという点だと思うんですよね。
映画の宣伝でもコメディ・ミステリー・ホラー・・・などのワードがありますからね。
見る側としては、「コメディとホラーなんて真逆だし共存できるのか?」という疑念を綺麗さっぱり拭ってくれるほども物語の構成力。
大まかな流れで言うと、若干ネタバレ的になりますけど、序盤はコメディ・中盤はミステリー・終盤はホラーという要素が色濃くなっていく感じですね。
序盤はコメディ多めで見ている側も面白く見ることができます。
半地下のキム一家4人組が
「オモニ!!Wi-Fiが繋がらない!」
「Wi-Fiはトイレの上から手を天井にかざせば繋がるわよ。」
「おぉ!!本当やん!!」
「本日は一家のWi-Fi復活を祝って、乾杯~~~マンセ~~飲め飲め~~」
という一連の流れで貧乏なのに悲壮感を全く感じさせないノリで幸せにすら見える光景。
ほかにも、
地下からの窓から見える小便に来たおっさんをしばきかけるシーン。
業者が殺虫剤をまきに来たシーンでも窓を閉めようとしたら、「いや、これを家に入れればトイレの虫たちが一掃される」などと自ら煙をかぶってでも生活に役立てようとする貧乏魂ぶり。
とにかく、この一家の日常をドラマ化しても面白いんじゃないか?というほどの貧乏家族独特の面白さがあります。
長男ギウの友人の紹介で富裕層(パク一家)の家庭教師に
物語の転換点で長男のギウの友人が富裕層の家庭教師をしていたのですが、留学しないといけないということで、代わりをギウに頼みに来た場面。
ここから少しずつコメディ要素からミステリー・ホラー系要素が色濃くなっていきます。
というのも、このギウは勉強こそできるものの、まともに大学には通っていません。
高校中退なわけですが、これでは一流大学を目指すパク一家の娘の家庭教師は任されません。
ですので、大学を出たという証明書を偽装し、家庭教師になります。
貧困なギウはおいしい就職先のチャンスを得たということで犯罪などにも手を染めてしまいます。
ここからギウが最初にパク一家に入り込み、そこからキム一家の寄生(パラサイト)がどんどん進むわけですね。
まぁ、パク一家で先に働いていた運転手やお手伝いさんなどを追い出すために汚い手を使っていくわけなんですけど。
犯罪や汚い手を使うことに負い目がない。韓国の社会問題を上手く表している
このキム一家はパク一家に寄生し、貴重な就職先を確保するという目的から犯罪や汚い手を行っていくわけなんですが、これについては殆ど負い目はないんです。
というより、迷いなく汚い手を使っている感じです。
キム一家の父ギテクが「韓国では正社員になれる確率は500分の1。このパク一家に就職できた我々は最高に幸せだ~!乾杯~!」
とか言っているほどですから、それほど正社員や貴重な就職先を得るために必死なわけです。
実際にも韓国社会では裏口入学やカンニング行為、コネ入社などの問題を聞きますが、映画でも人物の心理面から韓国の社会問題を上手く表しているなと感じました。
特に悪意があるから犯罪をしているというより、生きるために必死だから犯罪をしているに近いですね。
追い出したお手伝いおばさんの逆襲
パク家の家事を任されていたお手伝いさんを追い出し、母がそのポジションにつけたのは良いものの、やはり汚い手を使うと反感は買うものです。
おばさんはパク家に帰ってきた理由は、その家の地下で暮らしている夫のグンセに食料を与えるため。
借金から逃げるために半地下よりも地下で住む、韓国社会の格差問題の深刻さをまざまざと知ることができます。
そこでおばさんは、この4人は家族であると知り、追い出された原因もキム一家だと知りました。
ここからがホラーなんですよね。
キム一家はこのおばさんを黙らせるために階段から突き落として殺害するという、もう本当に取り返し付かない状況。
そのグンセは地下で拘束して動けないようにするという、いやホラーやん・・・。
ホラーと言うか、実際にありそうでより一層ホラー度が高い感じなんだけども。
貧困層と富裕層の感覚。 五感を用いて格差社会を浮き彫りにした作品
パク家から逃走を図る場面。
大雨で半地下ではいち早く非難しようとする人々。それと対比して高い場所に家がある富裕層は大雨の影響なんてゼロ。
避難所でギテクが「計画をするから失敗する。最初から計画がなければ、人を殺そうが何をしようが間違いじゃない。だから、最善の計画は無計画だ .」
という発言は印象的。
こんなところに避難しているのも想像つかなかった。おばさんも殺すとは思っていなかった。などの想定外の計画も最初から無計画と言ってしまえば、それも計画に入ってしまう。
深いのか深くないのか分からないが、まぁ、そりゃあれだけの修羅場を潜り抜けて自分たちは疲労困憊、方や富裕層は優雅に生活をしていると考え脳みその歯止めがプツリと切れたのか。
あれほどの大雨の翌日にはパーティの開催を予定しているパク家。避難所からパク家に出勤しないといけないキム家。
このシーンの最後である富裕層だけが集まるパーティ。
ギウが地下に閉じ込めているグンセの様子を見に、地下へ。そこでグンセの反撃にあい、グンセは地上へ。
パーティで盛り上がっているさ中グンセが台所から持ってきた包丁でキム一家を襲う。
その時パク社長は「早く!車のカギを渡せ!!」とギテクに要求。
ギテクは要求通りに鍵を投げる。しかしそのカギは上手く渡らず地面に落ちてしまう。
その地面から拾い上げる時にグンセをどかそうとした瞬間、地下独特の臭いにたまらず鼻をつまんでしまいます。
鼻をつまんだ素振りを見せた瞬間、ギテクは転がっていた包丁をパク社長の胸に突き刺してしまいました。
この場面の前にもパク社長は
「彼は運転技術も良いし、人柄も良いけど、なにか変なにおいがするんだよね。地下鉄に乗った時のような臭い。なんとも言えない臭さがあるよね・・。」
などと言っていて、最後の殺人の理由が臭いを軽蔑されたからという居住地の格差を嗅覚で表すという凄み。
格差社会がまざまざと描かれた映画
映画評について書きましたが、本当に映画評は苦手だな~という感じです。
ですが、映画自体はとても面白かったです。
先が読めないハラハラ感があり、飽きずに最後まで見れる映画でしたね。
特に、格差社会については最初から最後まで物語の背景にあり、韓国社会や格差社会の問題点なども見つかる映画なんじゃないかな。
社会派な映画だと思うし、こういったジャンルが好きな人は見て損はないと思いますよ。
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