哲学 書評

【書評/要約】「嫌われる勇気」劣等感・人間関係・生き方の革新的教科書

こんにちは。きつねこです。

今回は、「嫌われる勇気」というアルフレッド・アドラー氏の一冊を書評/要約していきたいと思います。

こちらの本。

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2013年に発行され、今現在かなり書評するとしては時代遅れ感がありますが、昨日もう一度深く読み返してみたところ、多くの学びがあったので共有、アウトプットという意味を込めて書いていきます。

 

劣等感・人間関係・生き方について参考になる部分が多く、悩める人間全員必読です。

 

 

 

 

「結果論」ではなく、「目的論」

このアドラーが提唱する心理学「アドラー理論」の一般的な考え方と大きく違う部分として、一番は「目的論」ということが挙げられます。

「目的論」とは、「原因論」の対になる考え方と思ってもらえれば良いです。

 

端的にまとめると。

原因論・・・何かの結果には必ず原因があり、その原因を見つめる理論

目的論・・・何かの結果には必ず目的があり、その目的を見つめる理論。我々はみな、何かしらの目的に沿って生きている。

 

 

少し分かりづらいですが、引きこもりの例を出すとこうなります。

例えば、誰かが引きこもりという状況に陥っていたとして、それを原因論では、引きこもりになった原因は「いじめ」「親の過干渉」というように結論づけたとしましょう。

 

それとは逆に、目的論では、引きこもりになった目的を考えようとします。

引きこもりになった目的は「外部の人と関わりを持ちたくないから」かもしれないし、「引きこもっていると親が丁重に扱ってくれるから」かもしれません。

要は、アドラーは起きている結果に対して原因を考えるのではなく、なぜその結果を選んでいるのか?という目的を問う心理学なわけです。

 

 

引きこもりを選んでいるのは、あなた自身

そうすると、先ほどの理論を持ち出すとなると、引きこもりを選んでいるのはあなた自身になるということです。

厳しい言い方ですが、不幸を選択しているのはあなた自身だと。

引きこもりを選択しているのは、あたたが「外部の人を避けている」若しくは「親に守ってもらえるから」「外の世界で傷つきたくないから」...

などの目的を達成するために引きこもりを選択していると...

 

はっきり言ってアドラー心理学はかなり辛口です。厳しい指摘が多いです。

悩める人に優しく寄り添うというより、強くなれ!と言わんばかりのスパルタ教育法に近いものを感じます。良くも悪くも。

 

 

問題の解決策は「勇気」

そこで、アドラーが問題を解決するにあたって提唱しているのが「勇気」です。

人が変わるために必要なのは勇気だと言っています。

先ほどの引きこもりの例を出すと、「外に出ない」という選択を取っているのであれば「外に出る」という勇気を出せ。という至ってシンプルな結論です。

人は性格や日々の行動を変えようとするとき「不安」がつきまとうわけですが、その場面で勇気を試されるわけです。

本の文章を引用しますと、

あなたが不幸なのは、過去や環境のせいではありません。ましてや能力が足りないのでもない。あなたには、ただ”勇気”が足りない。いうなれば「幸せになる勇気」が足りていないのです。

 

変化する勇気を出せるかどうかで、あなたの人生は変わると。

至ってシンプルですがかなり重要です。

 

 

劣等感への考え方

あと一つ、劣等感への考え方にも触れて終わろうと思います。

劣等感への洞察もとても深い本なので、劣等感に悩んでいる方にもおすすめの本です。

 

「劣等感」と「劣等コンプレックス」

アドラー心理学では、劣等感の状態について2つの状態に分けているのが特徴です。

同じ劣等感なわけですが、劣等感に対しての解釈に違いがあります。

大まかに説明するとこのような感じです。

「劣等感」・・・劣等感は感じているが、それを人生の言い訳に使っていない状態

「劣等コンプレックス」・・・劣等感を材料に言い訳をしている状態。AだからBできない状態。

(例:学歴がないからお金持ちになれない...顔が不細工だから結婚できない...)

 劣等感を言い訳にしていないか?劣等コンプレックス状態に陥っていないか?自問自答してみてください。

 

「劣等感」はみんな持っている。「劣等感」は悪くない

アドラー劣等感については何も悪いと言っていません。

むしろ、劣等感をバネに行動に繋げるような健全な劣等感の持ち方は、とても推奨しています。

あと、この世界で劣等感を持っていない方はいないとも言っています。

多かれ少なかれ、誰しも劣等感はあると。

その劣等感を自らが言い訳せずどう解釈し、どう行動に繋げていくかがカギだというわけです。

 

肯定的な諦め。自己受容

劣等感は変えられる部分であれば行動すれば良いですが、変えられない部分はどうしようもありません。

アドラーとしては「肯定的諦め」を提唱しています。

言い方を変えると、開き直れ。みたいな感じです。

自己肯定感を上げるのではなく、どんな自分でも受け入れる。それで良いと思える「自己受容」を持てというわけです。

「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極める。

 

 

まとめ:もっと詳しく知りたい方は読んでみることを勧める

まとめるとなると、かなり薄っぺらい内容になった感じで、申し訳ないです。

人との関り、生き方、人間の幸福、などアドラー流の心理学(哲学)にかなり刺激を貰えます。

話の内容としてもかなり論理的に理詰めで構成され納得できる部分がかなり多いです。

本を読んでいくとタイトルの「嫌われる勇気」というタイトルセンスの良さにも脱帽です。

何度でも読み返したい人生の指南書。

 

バイバイ!

 

 

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